障害を持つ方の“バリアフリー住宅”にこだわる名古屋の設計事務所です。 車いす利用者の方、全身性障害の方の、より良い住まいを一緒に考えます。

アプローチ

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道路と玄関の高さを比べると、ほとんどの家は玄関の方が高い位置にあります。 車いすの場合、その高さをどのようにクリアするかが最大の問題になってきます。 大きく分けると二通りあると思います。

一つの解決方法としては「玄関と道路の高低差を極力少なくする」ことです。分かりやすい例としてはコンビニのような入口です。ほとんど勾配を感じることなく店内に入ることができます(もちろんそうではない店舗もまだ多くありますが…)。
では、なぜ一般の住宅ではそうなっていないのか?そこには日本の風土が関係しています。湿気の多い日本では床を地面から上げ、床下に空間を取ることで床下の換気をし、湿気をこもらせないようにするのが古来からの習わしになっています。建築基準法にも「床は地面から45センチ以上とすること」と基準が設けてあります。また、 木造住宅(在来工法)ではコンクリート基礎の上に「土台」とよばれる、柱を横に寝かせたような木材を、壁ができるところに敷いていきますが、この「土台」が腐りやすく、白蟻の被害に遭いやすいのです。そこで、できるだけ土台を地面から遠ざけるために基礎を地面から30センチ以上立ち上げます(これも建築基準法で決められています)。ちなみに住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)でローンを組む場合、土台は地面から40センチ以上離れていないと審査を通りません。
では木造住宅では床を低くすることができないのか。そんなことはありません。土台は地面から離し、床を低くする方法があります。一般的には土台の上に床を組んでいくのですが、床下をコンクリートで覆えば土台より低い位置で床を組むことも可能です。ただし床下空間がないので、床暖房を入れるなど、寒さ対策や湿気対策が必要です。また水害が起こりやすい地域ではリスクが伴います。

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もう一つの解決方法は床の高さは標準的な高さとして、スロープを付けることです。 とてもシンプルな方法です。
車いすで上がることのできる緩い勾配で道路と玄関を繋ぎます。スロープの勾配は「○分の1勾配」と表現されることが多いです。これは「1」上がるのに何倍の長さで上がるかを表します。例えば1メートルの高さを10メートルの長さ(三角形の底辺の長さ、斜辺ではありません)で上がる場合、「10分の1勾配」と言います。一般的に車いすで利用するスロープの勾配は屋外で15分の1勾配、屋内で12分の1勾配と言われています。

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例えば玄関が道路より50センチ上がっている場合、15分の1勾配では長さ750センチ、12分の1勾配では600センチの長さが必要ということになります。これは駐車場の奥行きよりも長い距離です。 それに玄関扉の手前には平らな場所が必要になってきます。これは最低150センチはほしいところです。道路に出るところも、できればスロープが直接道路に繋がるのではなく、平らな場所がほしいところです。
という訳で、スロープを付けることは工事としては簡単なのですが、スロープを配置する場所を確保するのが難しいのです。それをなんとかするのが設計士の腕の見せ所なのですが(汗)。敷地面積や敷地形状的にどうしようもない場合は「段差解消機」を使うこともありますし、スロープの勾配を少しきつくして長さを短くするという手もあります。

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